まきばから、こんにちは
1999年11月15日更新

生産者が自ら語る酪農のいま、未来の夢


■人が訪れるような牧場をつくっていくことで後継者も育つ

● 両親の姿を見ているうち自然に就農する気持ちに
 宍戸牧場がフリーバーンシステムに切り替えたのは平成10年秋。
それまでは42頭の繋ぎ牛舎で飼養してきました。このシステム変更の原動力となったのは英樹さん(28歳)。
英樹さんは農業高校卒業後5年間、酪農関係の機械販売会社に営業職として勤務、23歳のときに就農しました。
 「酪農を継ぎたいという気はあまりなかったのですが、牛舎で遊んだり、酪農に違和感を感じないように育てられてきたと思います。
自由作文や絵画でも牛を題材にしていました」と英樹さんが言うように、ごく自然に酪農の道を歩んできました。
両親も、英樹さんが牛舎で遊んでいても、汚れるからダメだとか、じゃまだとかまったく言わず、自然に遊ばせていました。
あるいは酪農を継げと強く言われなかったことも、逆に自分の考えで就農する気持ちを大きくしたようです。
 「頭数もふえ、父親は重機オペレーターとして外で目いっぱい働いてから夕方牛舎に入り、母親の仕事の負担も大きくなってきた反面、自分をふりかえってみると、サラリーマンでのんきにやっている。そんな姿に嫌気がさしてきたこともあります。
じゃあ、自分でやってみようということで会社を辞めました」
宍戸 牧場 写真1

■宍戸嘉勝・英樹 牧場
■栃木県那須郡那須町高久丙
 
● 借金は心配だけど、若い世代がやっていくことだから…
 現在、搾乳牛頭数75頭、子牛・育成牛40頭。圃場は約3ha=育成牛用の永年牧草(ロールパックサイレージ)。
「規模拡大については親の出る問題ではないから、最終的には息子たちにまかせました」と嘉勝さん。
母親の保子さんも「親としては大きな借金は心配ですが、若い二人が強力してやっていくことですからね」と言いいます。
牛舎、乳牛ともスーパーL資金を借り入れ、乳牛は4年で返済、そのあとに牛舎の分を返済していこうと計画しています。
宍戸 牧場 写真2
● 酪農の良さをどんどん発信していくことで後継者も育つ
 今後、若い酪農家がどんどん誕生していくためには、どうしたらいいのでしょうか。英樹さんの考えはこうです。「酪農家の環境が悪すぎるのではないでしょうか。
酪農=汚いというイメージがまだ定着しています。酪農はいいものだというイメージを、どんどん発信していくことが大切だと思います。
酪農はほんとうに魅力ある職業だと思います。
収入的もアップさせていくことができます。
人が訪れてくれるような牧場をつくっていくことが、後継者を育てていくためにも必要です。
近所でも、サラリーマン家庭の出身でも、酪農をやりたいと農場に勤める女性も出てきました。
そんな風潮をどんどんつくっていけば、酪農にも明るいイメージが湧いてくると思います」 宍戸牧場では、家族(夫婦間)協定を結んでいます。
 ところで英樹さんが、牛の楽しさを知ったのは農業高校のころ。
牛の見方を教えてもらい、共進会に出品するようになってからです。
「改良同志会に入ってから、仲間がふえました。
いろいろなところで仲間つきあいがふえ、酪農の楽しさを知りました」という。
酪農の楽しさ――牛がのびのびと生きている姿は1日中見ていてもあきない。
自分の思う種雄牛を交配し、良い牛をつくってショウに出品すること。
もちろん、乳量が伸びてきたことも嬉しいことだが、いまの英樹さんには良い牛を見てもらうことが一番の楽しさとなっています。
そして、3トンバルクをいっぱいにすることが、いま宍戸牧場の当面の目標です。




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